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21世紀SF推薦作100(大森望『21世紀SF1000』より)

21世紀SF推薦作100(2001~2010)

本書(大森望『21世紀SF1000』ハヤカワ文庫JA)で紹介した約1000タイトルのSF作品から、★印評価の上位100作品を抜き出し、★★★★★(32作)と★★★★☆(68作)とに分け、それぞれ時評掲載順に並べた。データは順に、書名・著者名/編訳者名/刊行年月/版元[叢書]名・巻数(掲載ページ数)。

★★★★★

●祈りの海 グレッグ・イーガン/山岸真編・訳/2000・12/ハヤカワ文庫SF(17)

●ダイヤモンド・エイジ ニール・スティーヴンスン/日暮雅通訳/2001・12/ハヤカワ文庫SF・上下巻(76)

●アラビアの夜の種族 古川日出男/2001・12/角川文庫・全3巻(78)

●ハルビン・カフェ 打海文三/2002・4/角川文庫(100)

●クリプトノミコン ニール・スティーヴンスン/中原尚哉訳/2002・4~2002・7/ハヤカワ文庫SF・全4巻(106)

●陋巷に在り 酒見賢一/1992・11~2002・9/新潮文庫・全13巻(114)

●航路 コニー・ウィリス/大森望訳/2002・10/ヴィレッジブックス・上下巻(123)

●海を失った男 シオドア・スタージョン/若島正編/2003・7/河出文庫(153)

●しあわせの理由 グレッグ・イーガン/山岸真編・訳/2003・7/ハヤカワ文庫SF(161)

●マルドゥック・スクランブル 冲方丁/2003・5~2003・7/ハヤカワ文庫JA・全3巻(163)

●イリヤの空、UFOの夏 秋山瑞人/2001・10~2003・8/電撃文庫・全4巻(164)

●サウンドトラック 古川日出男/2003・9/集英社文庫・上下巻(168)

●あなたの人生の物語 テッド・チャン/浅倉久志,他訳/2003・9/ハヤカワ文庫SF(172)

●ラピスラズリ 山尾悠子/2003・9/国書刊行会(175)

●ヨットクラブ デイヴィッド・イーリイ/白須清美訳/2003・10/河出文庫『タイムアウト』に改題(177)

●万物理論 グレッグ・イーガン/山岸真訳/2004・10/創元SF文庫(229)

●ソラリス スタニスワフ・レム/沼野充義訳/2004・9/国書刊行会 スタニスワフ・レム コレクション(231)

●ディアスポラ グレッグ・イーガン/山岸真訳/2005・9/ハヤカワ文庫SF(282)

●銀河ヒッチハイク・ガイド,宇宙の果てのレストラン ダグラス・アダムス/安原和見訳/2005・9/河出文庫(285)

●どんがらがん アヴラム・デイヴィッドスン/殊能将之編/2005・10/河出書房新社・奇想コレクション(286)

●シャングリ・ラ 池上永一/2005・9/角川文庫・上下巻(290)

●デス博士の島その他の物語 ジーン・ウルフ/浅倉久志,伊藤典夫,柳下毅一郎訳/2006・2/国書刊行会・未来の文学(311)

●イリアム ダン・シモンズ/酒井昭伸訳/2006・7/ハヤカワ文庫SF・上下巻(334)

●ラギッド・ガール 廃園の天使Ⅱ 飛浩隆/2006・10/ハヤカワ文庫JA(342)

●夜は短し歩けよ乙女 森見登美彦/2006・11/角川文庫(348)

●テンペスト 池上永一/2008・8/角川文庫・全4巻(442)

●時間封鎖 ロバート・チャールズ・ウィルスン/茂木健訳/2008・10/創元SF文庫・上下巻(453)

●ユダヤ警官同盟 マイケル・シェイボン/黒原敏行訳/2009・5/新潮文庫・上下巻(480)

●完全版 最後のユニコーン ピーター・S・ビーグル/金原瑞人訳/2009・7/学習研究社(493)

●バレエ・メカニック 津原泰水/2009・9/早川書房・想像力の文学(504)

●15×24 新城カズマ/2009・9/集英社スーパーダッシュ文庫・全6巻(507)

●異星人の郷 マイクル・フリン/嶋田洋一訳/2010・10/創元SF文庫・上下巻(564)

★★★★☆

●the TWELVE FORCES 戸梶圭太/2000・12/角川書店(20)

●タクラマカン ブルース・スターリング/小川隆,大森望訳/2001・1/ハヤカワ文庫SF(22)

●ペニス 津原泰水/2001・4/双葉文庫(30)

●鳥類学者のファンタジア 奥泉光/2001・4/集英社文庫(36)

●ネバーウェア ニール・ゲイマン/柳下毅一郎訳/2001・7/インターブックス(43)

●グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ 飛浩隆/2002・9/ハヤカワ文庫JA(111)

●地球礁 R・A・ラファティ/柳下毅一郎訳/2002・10/河出書房新社(110)

●あしたのロボット 瀬名秀明/2002・10/文春文庫『ハル』に改題(120)

●終戦のローレライ 福井晴敏/2002・12/講談社文庫・全4巻(132)

●カルカッタ染色体 アミタヴ・ゴーシュ/伊藤真訳/2003・6/DHC(157)

●《暁の天使たち》 茅田砂胡/2002・3~2003・11/中央公論新社C☆NOVELSファンタジア・全6巻(165)

●夜更けのエントロピー ダン・シモンズ/嶋田洋一訳/2003・11/河出書房新社・奇想コレクション(188)

●スペシャリストの帽子 ケリー・リンク/金子ゆき子,佐田千織訳/2004・2/ハヤカワ文庫FT(202)

●膚の下 神林長平/2004・4/ハヤカワ文庫JA・上下巻(209)

●ケルベロス第五の首 ジーン・ウルフ/柳下毅一郎訳/2004・7/国書刊行会・未来の文学(218)

●綺譚集 津原泰水/2004・8/創元推理文庫(224)

●空の中 有川浩/2004・11/角川文庫(233)

●犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 コニー・ウィリス/大森望訳/2004・4/ハヤカワ文庫SF・上下巻(241)

●高い城・文学エッセイ スタニスワフ・レム/沼野充義,巽孝之,芝田文乃,加藤有子,井上暁子訳/2004・12/国書刊行会 スタニスワフ・レム コレクション(252)

●タフの方舟 1禍つ星 ジョージ・R・R・マーティン/酒井昭伸訳/2005・4/ハヤカワ文庫SF(265)

●バースト・ゾーン 爆裂地区 吉村萬壱/2005・5/ハヤカワ文庫JA(267)

●デカルトの密室 瀬名秀明/2005・8/新潮文庫(277)

●宇宙舟歌 R・A・ラファティ/柳下毅一郎訳/2005・10/国書刊行会・未来の文学(288)

●天の声・枯草熱 スタニスワフ・レム/深見弾,吉上昭三,沼野充義訳/2005・10/国書刊行会 スタニスワフ・レム コレクション(293)

●輝く断片 シオドア・スタージョン/大森望編/2005・6/河出文庫(298)

●図書館戦争 有川浩/2006・2/角川文庫(306)

●アイの物語 山本弘/2006・5/角川文庫(326)

●マルドゥック・ヴェロシティ 冲方丁/2006・11/ハヤカワ文庫JA・全3巻(343)

●ひとりっ子 グレッグ・イーガン/山岸真編・訳/2006・12/ハヤカワ文庫SF(354)

●獣の奏者Ⅰ・Ⅱ 上橋菜穂子/2006・11/講談社文庫(357)

●赤朽葉家の伝説 桜庭一樹/2006・12/創元推理文庫(357)

●アナンシの血脈 ニール・ゲイマン/金原瑞人訳/2006・12/角川文庫・上下巻(358)

●沈黙のフライバイ 野尻抱介/2007・2/ハヤカワ文庫JA(366)

●天と地の守り人 上橋菜穂子/2006・12~2007・3/新潮文庫・全3巻(369)

●オリュンポス ダン・シモンズ/酒井昭伸訳/2007・3/ハヤカワ文庫SF・全3巻(370)

●双生児 クリストファー・プリースト/古沢嘉通訳/2007・4/早川書房プラチナ・ファンタジイ(371)

●Self-Reference ENGINE 円城塔/2007・5/ハヤカワ文庫JA(374)

●虐殺器官 伊藤計劃/2007・6/ハヤカワ文庫JA(378)

●輝くもの天より墜ち ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア/浅倉久志訳/2007・7/ハヤカワ文庫SF(386)

●キルン・ピープル デイヴィッド・ブリン/酒井昭伸訳/2007・8/ハヤカワ文庫SF・上下巻(390)

●[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ シオドア・スタージョン/若島正編/2007・11/河出文庫(399)

●新世界より 貴志祐介/2008・1/講談社文庫・上中下巻(412)

●Boy’s Surface 円城塔/2008・1/ハヤカワ文庫JA(413)

●ダンシング・ヴァニティ 筒井康隆/2008・1/新潮文庫(418)

●深海のYrr フランク・シェッツィング/北川和代訳/2008・4/ハヤカワ文庫NV・上中下巻(428)

●ザ・ロード コーマック・マッカーシー/黒原敏行訳/2008・6/ハヤカワepi文庫(435)

●遠すぎた星 老人と宇宙2 ジョン・スコルジー/内田昌之訳/2008・6/ハヤカワ文庫SF(436)

●ライト M・ジョン・ハリスン/小野田和子訳/2008・8/国書刊行会(444)

●神獣聖戦 Perfect Edition 山田正紀/2008・10/徳間文庫・上下巻(450)

●ハーモニー 伊藤計劃/2008・12/ハヤカワ文庫JA(462)

●アメリカン・ゴッズ ニール・ゲイマン/金原瑞人,野沢佳織訳/2009・2/角川書店・上下巻(472)

●モーフィー時計の午前零時 ジーン・ウルフ,フリッツ・ライバー他/若島正編/2009・2/国書刊行会(476)

●1Q84 1・2 村上春樹/2009・5/新潮社(488)

●ペルディード・ストリート・ステーション チャイナ・ミエヴィル/日暮雅通訳/2009・6/早川書房プラチナ・ファンタジイ(492)

●アンブロークン アロー 戦闘妖精・雪風 神林長平/2009・7/ハヤカワ文庫JA(497)

●あなたのための物語 長谷敏司/2009・8/ハヤカワ文庫JA(500)

●粘膜蜥蜴 飴村行/2009・8/角川ホラー文庫(503)

●フロム・ヘル アラン・ムーア,エディ・キャンベル/柳下毅一郎訳/2009・10/みすず書房・上下巻(503)

●増大派に告ぐ 小田雅久仁/2009・11/新潮社(509)

●クォンタム・ファミリーズ 東浩紀/2009・12/新潮社(518)

●跳躍者の時空 フリッツ・ライバー/中村融編/2010・1/河出書房新社・奇想コレクション(527)

●天冥の標Ⅱ 救世群 小川一水/2010・3/ハヤカワ文庫JA(530)

●天冥の標Ⅲ アウレーリア一統 小川一水/2010・7/ハヤカワ文庫JA(551)

●アンランダン チャイナ・ミエヴィル/内田昌之訳/2010・8/河出書房新社・上下巻(553)

●宇宙開発SF傑作選 ワイオミング生まれの宇宙飛行士 中村融編/2010・7/ハヤカワ文庫SF(554)

●逆光 トマス・ピンチョン/木原善彦訳/2010・9/新潮社・上下巻(555)

●《ファージング》3部作 ジョー・ウォルトン/茂木健訳/2010・6/創元推理文庫(556)

●華竜の宮 上田早夕里/2010・10/ハヤカワSFシリーズJコレクション(563)

Jan
20th
Thu
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西村賢太『二度はゆけぬ町の地図』書評(本の旅人)

二〇〇六年度の民間給与実態統計調査によると、年収二百万円以下の給与所得者が二十一年ぶりに一千万人を超えたそうで、格差社会に拍車とかいろいろ言われてますが、まあね、べつに貧乏だったいいじゃん。二十一年前と違って、今は百円ショップや百円コンビニでたいていのものが揃うし、百円マックもある。ハンバーガーも食べられる。ま、ネットカフェ暮らしは大変そうだから、住むとこだけは確保しておいたほうがいいけど……というこの時代にぴったりの小説が、本書『二度はゆけぬ町の地図』。

著者の西村賢太は、〇五年下半期の芥川賞候補になって注目を集めた貧乏文学の星。候補作「どうで死ぬ身の一踊り」を読んだとき、「この人は、純文学界の業田良家になれるかもしれない」『自虐の詩』が好きな人なら絶対ハマる」と言ったんですが(『文学賞メッタ斬り!リターンズ』所収)、その『自虐の詩』は、この秋、中谷美紀・阿部寛主演(堤幸彦監督)で映画化。当然、西村賢太にも時代の追い風が吹いているはずである。

既刊の二冊、『どうで死ぬ身のひと踊り』(講談社)、『暗渠の宿』(新潮社)は、ともに著者の分身とおぼしき藤澤清造おたくの“私”を主人公とする私小説集(通称、藤澤清造シリーズ)。藤澤清造というのは、貧乏暮らしの末に芝公園で凍死した大正期の作家で、あたかもその霊が乗り移ったかのごとき時代錯誤の文体で時代錯誤の無頼派的日常を綴る反時代性が大向こうに受け、西村賢太は一部で絶賛を博すことになった。

三冊目の作品集となる『二度はゆけぬ町の地図』は、中学卒業後に家を飛び出し、一人暮らしを始めてからの日々を回顧する、いわば“青春立志編”にあたる。収録の四編のうち、同人誌初出の留置所小説「春は青い馬車に乗って」を除く三編は〈野性時代〉掲載。

「貧窶の沼」と「潰走」は、私小説じゃなくて、“貫多”という名前の若者を主人公にした三人称小説の体裁をとっているが、『暗渠の宿』表題作の〈十六歳時に最初に独り暮しを始めた際に、結句四箇月滞納した室料の棒引きと相殺みたいなかたちで追い出された記憶のある、鶯谷の三畳間〉とか、既刊の本で読んだネタがこちらにもそのまま出てくるので、ダイレクトにつながっていると思ってよさそうだ。

実際、本書巻末の「腋臭風呂」は、“私”の十八歳の頃の話ではじまったかと思うと、途中でいきなり“それから二十年余りを経た現在”に飛び、そのまま藤澤清造シリーズに雪崩れ込む。プルーストの『失われたときを求めて』のマドレーヌのように、デリヘル嬢の腋臭が回想を誘発する文学装置になるという趣向で、いかにも西村賢太らしい。

青春編の時代背景は、たぶん八〇年代半ば。その日暮らしなので日払いの仕事で暮らす貫多のささやかな夢は、月払いのまともな職に就くことだが、結局きょうも稼いだカネを歌舞伎町の覗き部屋やファッションマッサージで使い果たしてしまう(十七歳なのに)。時代が変わり、年齢が変わっても、主人公の人間的なダメっぷりは全然変わらず、つねに貧乏と風俗がついてまわる。貫多は、“この先の悲惨な末路の自覚に、チリ気立つ恐怖を感じ”て、若さに唯一の救いを見るのだが、人間、なかなか変われるものではない。けだし、三つ子の魂百までと言うべきか。

短編集のタイトルどおり、この本の中心になるのは、バイト先の店主と大喧嘩をするとか、家賃を踏み倒すとか、どうしようもないトラブルを引き起こし、逃げるようにしてその町をあとにするエピソード群。

「暗渠の宿」で、現在の“私”が引っ越し先を探すとき、ここには近寄りたくもないと述懐する町がやたら多いのは、なるほどこういうわけだったかと了解される仕組みである。

読みどころは、主人公の前に立ちはだかる家主や雇い主との対決。「潰走」では、家賃を溜めるだけ溜めた挙げ句、二月上旬の明け方、大家の夫婦に急襲される。

……老家主の方は、本来カリカリに痩せてる体が、むしろ肥満して見えるまでに厚手のものを着込み、手には軍手、顔には風邪用の白マスクなぞをつけ、さらには頭に正ちゃん帽まで被って防寒をしているから、まるで平然たるもの。見るとそのうしろには、何んのつもりで連れてきたのか、これも完全防寒の厚着を重ねた小柄な老妻が、くたびれた茶色のマフラーを、ヘンな、真知子巻きみたいなかたちに頭から顎にかけてぐるぐる巻きつけ、敵を見る目で貫多のことを睨みつけている。

こうした“敵”たちとのせこくて情けない攻防戦が実におもしろい。笑える貧乏話を満載した西村賢太の切実すぎる貧乏文学で、年収二百万円時代をのんびり生き抜きたい。

Jan
3rd
Mon
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ゼロ年代海外SF50(大森望選)

■ゼロ年代海外SF50(大森望選)

・SFマガジン2011年2月号「大森望の新SF観光局」掲載リストの完全版です。

・対象は、現在までに邦訳されているもののうち、「2000年~2009年に(原書が)刊行された本」(短篇集・アンソロジーに関しては、ゼロ年代に発表された作品を1篇以上含むものから選出)。

・リストは原書刊行年別(同一年度は作者名の五十音順。シリーズ、三部作などの場合は邦訳最新刊の刊行年。日本オリジナル短篇集の場合は、日本での刊行年を基準とする)。

【2000年】

マーク・Z・ダニエレブスキー『紙葉の家』島田洋一訳/ソニー・マガジンズ

ウイル・マッカーシイ『コラプシウム』島田洋一訳/ハヤカワ文庫SF

チャイナ・ミエヴィル『ペルディード・ストリート・ステーション』日暮雅通訳/早川書房

ジェフリー・A・ランディス『火星縦断』小野田和子訳/ハヤカワ文庫SF

【2001年】

ジョナサン・キャロル『木でできた海』市田泉訳/創元推理文庫

コニー・ウィリス『航路』(上下)大森望訳/ヴィレッジブックス

フィリップ・リーヴ『移動都市』安野玲訳/創元SF文庫

ケリー・リンク『スペシャリストの帽子』金子ゆき子・佐田千織訳/ハヤカワ文庫

【2002年】

スティーヴン・キング『回想のビュイック8』白石朗訳/新潮文庫

テッド・チャン『あなたの人生の物語』浅倉久志ほか訳/ハヤカワ文庫SF

M・ジョン・ハリスン『ライト』小野田和子訳/国書刊行会

クリストファー・プリースト『双生児』古沢嘉通訳/早川書房

エリザベス・ムーン『くらやみの速さはどれくらい』小尾芙佐訳/ハヤカワ文庫SF

【2003年】

ウィリアム・ギブスン『パターン・レコグニション』浅倉久志訳/角川書店

ダン・シモンズ『イリアム』(上下)酒井昭伸訳/ハヤカワ文庫SF

チャールズ・ストロス『シンギュラリティ・スカイ』金子浩訳/ハヤカワ文庫SF

ジャスパー・フォード《文学刑事サーズデイ・ネクスト》田村源二訳/ソニー・マガジンズ

デイヴィッド・ブリン『キルン・ピープル』(上下)酒井昭伸訳/ハヤカワ文庫SF

【2004年】

アイリーン・ガン『遺す言葉、その他の短篇』幹遥子訳/早川書房

フランク・シェッツィング『深海のYrr』(上中下)北川和代訳/ハヤカワ文庫NV

ケン・マクラウド『ニュートンズ・ウェイク』嶋田洋一訳/ハヤカワ文庫SF

マーゴ・ラナガン『ブラックジュース』佐田千織訳/河出書房新社

ジョージ・R・R・マーティン《氷と炎の歌》岡部宏之・酒井昭伸訳/早川書房(『七王国の玉座』『王狼たちの戦旗』『剣嵐の大地』『乱鴉の饗宴』)

【2005年】

カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』土屋政雄訳/ハヤカワepi文庫

ロバート・チャールズ・ウィルスン『時間封鎖』(上下)茂木健訳/創元SF文庫

アーサー・C・クラーク&スティーヴン・バクスター『太陽の盾』中村融訳/早川書房

スザンナ・クラーク『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』(I・II・III)中村浩美訳/ヴィレッジブックス

ニール・ゲイマン『アナンシの血脈』金原瑞人訳/角川書店

チャールズ・ストロス『アッチェレランド』酒井昭伸訳/早川書房

ジョー・ヒル『20世紀の幽霊たち』白石朗ほか訳/小学館文庫

ジェフ・ライマン『エア』古沢嘉通訳/早川書房

【2006年】

グレッグ・イーガン『ひとりっ子』山岸真編訳/ハヤカワ文庫SF

マイクル・スワンウィック『グリュフォンの卵』小川隆ほか訳/ハヤカワ文庫SF

ナオミ・ノヴィク《テメレア戦記》那波かおり訳/ヴィレッジブックス(『気高き王家の翼』『翡翠の玉座』『黒雲の彼方へ』)

トマス・ピンチョン『逆光』(上下)木原善彦訳/新潮社

マイクル・フリン『異星人の郷』(上下)茂木健訳/創元SF文庫

マックス・ブルックス『WORLD WAR Z』浜野アキオ訳/文藝春秋

ヴィクトル・ペレーヴィン『恐怖の兜』中村唯史訳/角川書店

コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』黒原敏行訳/早川書房

ヴァーナー・ヴィンジ『レインボーズ・エンド』(上下)赤尾秀子訳/創元SF文庫

アレステア・レナルズ《レヴェレーション・スペース》中原尚哉訳/ハヤカワ文庫SF(『啓示空間『カズム・シティ』『火星の長城』『銀河北極』『量子真空』)

【2007年】

マイケル・シェイボン『ユダヤ警官同盟』(上下)黒原敏行訳/新潮文庫

アーシュラ・K・ル・グィン《西のはての年代記》 谷垣暁美訳/河出書房新社(『ギフト』『ヴォイス』『パワー』)

【2008年】

ジョン・スコルジー《老人と宇宙》内田昌之訳/ハヤカワ文庫SF(『老人と宇宙』『遠すぎた星』『最後の星戦』『ソーイの物語』)

ジョー・ウォルトン《ファージング》茂木健訳/創元推理文庫(『英雄たちの朝』『反逆のハムレット』『バッキンガムの光芒』)

フェリクス・J・パルマ『時の地図』(上下)宮崎真紀訳/ハヤカワ文庫NV

イアン・R・マクラウド『夏の涯ての島』浅倉久志訳/早川書房

【2010年】

ナンシー・クレス『アードマン連結体』田中一江訳/ハヤカワ文庫SF

岸本佐知子編『変愛小説集』『変愛小説集2』講談社

《SFマガジン50周年記念アンソロジー》ハヤカワ文庫SF(中村融編『ワイオミング生まれの宇宙飛行士 宇宙開発SF傑作選』大森望編『ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選』山岸真編『スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選』)

Dec
10th
Fri
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大森望選「ゼロ年代海外SF50」(邦訳書限定)

・対象は「2000年~2009年に(原書が)刊行された本」(短篇集・アンソロジーに関しては、ゼロ年代に発表された作品を1篇以上含むものから選出)。

・原書刊行年別にまとめた(同一年度は作者名の五十音順。シリーズ、三部作などの場合は邦訳最新刊の刊行年。日本オリジナル短篇集の場合は、日本での刊行年を基準とする)。

・12/10 23:55 改訂第2版

【2000年】

マーク・Z・ダニエレブスキー『紙葉の家』

ウイル・マッカーシイ『コラプシウム』

チャイナ・ミエヴィル『ペルディード・ストリート・ステーション』

ジェフリー・A・ランディス『火星縦断』

【2001年】

ジョナサン・キャロル『木でできた海』

コニー・ウィリス『航路』

フィリップ・リーヴ『移動都市』

ケリー・リンク『スペシャリストの帽子』

【2002年】

テッド・チャン『あなたの人生の物語』

M・J・ハリスン『ライト』

クリストファー・プリースト『双生児』

E・ムーン『くらやみの速さはどれくらい』

【2003年】

W・ギブスン『パターン・レコグニション』

ダン・シモンズ『イリアム』

C・ストロス『シンギュラリティ・スカイ』

フォード《文学刑事サーズデイ・ネクスト》

デイヴィッド・ブリン『キルン・ピープル』

【2004年】

ガルシア《恐竜探偵ヴィンセント・ルビオ》

アイリーン・ガン『遺す言葉、その他の短篇』

フランク・シェッツィング『深海のYrr』

ケン・マクラウド『ニュートンズ・ウェイク』

マーゴ・ラナガン『ブラックジュース』

ジョージ・R・R・マーティン《氷と炎の歌》

【2005年】

カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』

R・C・ウィルスン『時間封鎖』

A・C・クラーク&バクスター『太陽の盾』

スザンナ・クラーク《ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル》

ニール・ゲイマン『アナンシの血脈』

チャールズ・ストロス『アッチェレランド』

ジョー・ヒル『20世紀の幽霊たち』

ジェフ・ライマン『エア』

K・リンク『マジック・フォー・ビギナーズ』

【2006年】

グレッグ・イーガン『ひとりっ子』

M・スワンウィック『グリュフォンの卵』

ナオミ・ノヴィク《テメレア戦記》

トマス・ピンチョン『逆光』

マイクル・フリン『異星人の郷』

ヴィクトル・ペレーヴィン『恐怖の兜』

C・マッカーシー『ザ・ロード』

V・ヴィンジ『レインボーズ・エンド』

A・レナルズ《レヴェレーション・スペース》

【2007年】

マイケル・シェイボン『ユダヤ警官同盟』

U・K・ル・グィン《西のはての年代記》

【2008年】

ジョン・スコルジー《老人と宇宙》

ジョー・ウォルトン《ファージング》

フェリクス・J・パルマ『時の地図』

イアン・R・マクラウド『夏の涯ての島』

【2010年】

ナンシー・クレス『アードマン連結体』

岸本佐知子編《変愛小説集》全二巻

《SFマガジン50周年記念アンソロジー》全三巻(中村融編『宇宙開発SF傑作選 ワイオミング生まれの宇宙飛行士』大森望編『時間SF傑作選 ここがウィネトカなら、きみはジュディ』山岸真編『ポストヒューマンSF傑作選 スティーヴ・フィーヴァー』)

Apr
1st
Thu
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Nov
19th
Thu
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樋口毅宏『さらば雑司ヶ谷』

「むかし、いいともにオザケンが出たとき、タモリがこう言ったの。『俺、長年歌番組やってるけど、いいと思う歌詞は小沢くんだけなんだよね。あれ凄いよね、“左へカーブを曲がると、光る海が見えてくる。僕は思う、この瞬間は続くと、いつまでも”って。俺、人生をあそこまで肯定できないもん』って。あのタモリが言ったんだよ。四半世紀、お昼の生放送の司会を務めて気が狂わない人間が! まともな人ならとっくにノイローゼになっているよ。タモリが狂わないのは、自分にも他人にも何ひとつ期待をしていないから。そんな絶望大王に、『自分にはあそこあで人生を肯定できない』って言わしめたアーティストが他にいる?」

(中略)

「あれはどういう意味だ。“嫌になるほど続く教会通りの坂降りて行く”ってのは」

豆腐屋の健吾が訊ねた。こいつは「豆腐の角に頭をぶつけて死ぬことは可能か」を確かめるため、豆腐屋になったという変わり者だ。

「“教会通りの坂”は神に定められた私たちの人生のこと。それが“嫌になるほど続く”と思っていた歌の中の主人公が、“左へカーブを曲がると、光る海”、つまり産み。生を肯定して、“この瞬間は続くと、いつまでも”って自己回復していくの」

p.46-47より

Oct
24th
Sat
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「フロム・ヘル」トークセッション@ジュンク堂新宿店は満員御礼。客層の主流はディープなアラン・ムーアおたく? SF系の客は3人ぐらい。ミステリ系の客は1人(関係者)。タマフルのヘビーリスナーとか、宇多丸師匠系の客もけっこういた模様。リアクションがいちいち濃すぎる。 あした同窓会があるとかで高知の母親が上京して西新宿に泊まっているため、ホテルの部屋に弟一家とうちの一家が集合してたんだけど、それを中抜けして東口まで往復。途中からトークセッションを聞き、ちょっとだけ打ち上げに参加。宇多丸・吉田豪両氏(キラ☆キラ組)とは初対面ですが、ポッドキャストはしじゅう聴いているのであんまり他人の気がしなかったり。安田理央氏とは夏コミ以来。できあがったばかりの「No1 in HEAVEN」をもらってラッキー。これから見よう。 ホテルに戻ると5歳女児がものすごい勢いで踊ったり歌ったり飛び跳ねたりしていた。最後は電池が切れて号泣。タクシーに放り込んで帰宅。
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「フロム・ヘル」トークセッション@ジュンク堂新宿店は満員御礼。客層の主流はディープなアラン・ムーアおたく? SF系の客は3人ぐらい。ミステリ系の客は1人(関係者)。タマフルのヘビーリスナーとか、宇多丸師匠系の客もけっこういた模様。リアクションがいちいち濃すぎる。

あした同窓会があるとかで高知の母親が上京して西新宿に泊まっているため、ホテルの部屋に弟一家とうちの一家が集合してたんだけど、それを中抜けして東口まで往復。途中からトークセッションを聞き、ちょっとだけ打ち上げに参加。宇多丸・吉田豪両氏(キラ☆キラ組)とは初対面ですが、ポッドキャストはしじゅう聴いているのであんまり他人の気がしなかったり。安田理央氏とは夏コミ以来。できあがったばかりの「No1 in HEAVEN」をもらってラッキー。これから見よう。

ホテルに戻ると5歳女児がものすごい勢いで踊ったり歌ったり飛び跳ねたりしていた。最後は電池が切れて号泣。タクシーに放り込んで帰宅。

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週刊大極宮第416号「安寿のがまぐち ~ 宮部みゆきのコーナー」より

大森望さんの『狂乱西葛西日記 20世紀remix』を読んでいたら、少なくとも20世紀中の宮部は、今よりは活発だったということが判明しました。ちゃんと「登場人物表」に出てくるし(^^)。
 大森さんと宮部は同い歳なので、この日記でカバーされている1995年~2000年というのは、35歳から40歳まででして、フツーなら立派な中年ですが、宮部の体感的には、このころが青春時代だったのです。
 いやもう、だからホントに懐かしくて楽しくて、読みふけってしまいました(^o^)♪
 ナマケモノの私は日記もつけてないので、同時代に大森さんみたいなマメなヒトがいてくれると助かります。思い出を保存してもらえますからね。
 そうそう。。。SF大賞の二次会に、庵野監督が来てくださったんですよね。。。♪
 そうそう。。。大森さんも書いてるとおり、このころは寄ると触ると歌ってた♪
 そうそう。。。『理由』で直木賞決定の日、宮部はものもらいで目が腫れてた。。。
 そうそう。。。コミケに行きました。暑かったけど、私もコスプレしたかった。。。
 そうそう。。。このころの京極さんは、平均睡眠時間2~3時間で、インタビューと電話の応対に追われて声がかれちゃって、筆談してたこともあったっけ。。。

  何から何まで懐かしいなあ。。。

 ほとんど縁側の隠居のような気持ち(^^)。
 それにしても大森さんの活動ぶりはすさまじく、それは今でも変わってない感じですから、宮部も老け込んでばかりもいられないのですが、まあ、そこはねえ、個体差で(と、完全にへっぴり腰)。
 21世紀編も、ぜひ本にしていただきたいです♪

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Ballet Mecanique

津原泰水『バレエ・メカニック』を京フェス直前にようやく読了。 
書き下ろしパートがまさかあんなことになっているとは思わなかった。私見では、たぶん今年度日本SFのベストワン(対抗は神林長平『アンブロークン・アロー』と長谷敏司『あなたのための物語』)。

ところで、Ballet Mecaniqueと言えば、たしか中谷美紀が歌ってた「ケイゾク」の主題歌(クロニック・ラヴ)の原曲(坂本龍一)だったよなと思ってちょっとググってみると、なんと一番最初は、岡田有希子のアルバム『ヴィーナス誕生』に坂本龍一が提供した楽曲「WONDER TRIP LOVER」だったんですね。youtubeで聴いてみるとこれもなかなかすばらしい。 

しかしそうすると、『バレエ・メカニック』の理沙は岡田有希子の分身と言えなくもなくて、これは岡田有希子の霊が世界を変える話なのか? と思ったり(冗談です)。 

もっとも、坂本龍一が題名を借りたのはジョージ・アンタイルが1920年代に発表した同名の代表曲。教授はこれに影響を受けて『未来派野郎』をつくったらしい。フェルナン・レジェはアンタイルの曲をテーマにした同名の実験映画をつくってて、坂本版「Ballet Mecanique」のPVにもその映像が引用されている。 

津原版『バレエ・メカニック』の冒頭にはレジェへの言及があるので、原典はアンタイル版ということか。youtubeであらためてケイゾクのOPを見直すと、坂本版PVを経由してレジェ版の雰囲気が踏襲されていて、まさかそんな具合に繋がっていようとは、ドラマ放映当時にはまったく気づかなかったことである。YMOファンには常識の範疇でしょうが、勉強になりました。 

レジェの映画もなかなか楽しいので、興味のある方はyoutubeで。Ballet Mecaniqueで検索するとだいたい一網打尽。

http://www.youtube.com/results?search_query=“Ballet+Mecanique”&search_type=&aq=f

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